ミルクの湯冷ましで「割り水はNG」その理由とは?

こんにちは、こうぞうです。

赤ちゃんのミルクを作る時に、一度沸騰させて冷ました水道水や軟水のミネラルウォーターを割り水として使っていませんか?その作り方、危険かもしれませんよ?

この記事は2分くらいで読むことができ・・・

・割り水がNGなのはなぜ・・・

・ミルクを作る時に70度以上のお湯を使うのは?

・安全なミルクを赤ちゃんに飲ませたい人

などの悩みを解決できます。

この記事を読めば、割り水がNGと考えられる理由を理解でき安心安全なミルクを作り赤ちゃんに飲ませることが出来るようになりますよ!赤ちゃんは免疫力が大人より少ないので、安全なミルクを飲ませてすくすく成長させましょう。

目次

割り水がNGな理由

基本的にミルクを作る時は、一度沸騰させた70度以上のお湯を使っていますよね。では、なぜ70度以上のお湯を使う必要があるのか知っていますか?粉や固形のミルクが溶けやすいからではありませんよ(笑)

本気で溶けやすいからだと思ってました!!(笑)

根拠

どのミルク缶にも水道水を一度沸騰させて70度以上の温度で使うと書いてあると思います。その理由は2007年にWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が公表したガイドラインにあり、それでは下記の様になっています

70度以上のお湯で調乳することで、粉乳中に存在している「サカザキ菌」を死滅させることができ、リスクを劇的に減少させることができる。また、70度以下で調乳した場合「サカザキ菌」を完全に死滅させることが出来ず、以下の2点の懸念事項がある。1)少数の細菌体であっても疾病の原因となり得ること。2)生き残った 「サカザキ菌」 が増殖する可能性があること。

厚生労働省 | 乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて

また、粉ミルクも完全に無菌では無く、ごく微量ですが「サカザキ菌」や「サルモネラ菌」という菌が入っている可能性があります。実際に2017年フランスの乳製品大手「ラクタリス」の粉ミルクで、「サルモネラ菌に汚染された疑いがある」として世界的に製品回収を行っていたことがあります。

サカザキ菌とは

乳児(1 歳未満の子ども)、特に未熟児や免疫不全児、低出生体重児を中心として「敗血症」や「壊死性腸炎」をおこすことがあり、重篤な場合には「髄膜炎」を併発することがあります。成人が感染した場合は、その症状はかなり軽度であるとされています。サカザキ菌はサルモネラ菌と比べて、粉ミルクの製造環境により多く存在することがわかっていますが、厚生労働科学研究によると、日本の製品に含まれる量はごく微量で、333g 中に 1 個と報告されています。

横浜市衛生研究所感染症・疫学情報課 | 粉ミルク(乳児用調整粉乳)を70℃以上のお湯で溶かすワケを知っていますか?

サルモネラ菌とは

サルモネラ菌は、主にヒト・動物の腸管内に生息する細菌で、数多くの種類があり、中にはチフス性疾患をおこすものや、下痢、発熱といった食中毒をおこすものがあります。サルモネラ菌は、粉ミルクの製造過程では混入することはほとんどありません。粉ミルクを開封した後、粉ミルクを溶かすときや溶かした後に混入することがあるようです。

横浜市衛生研究所感染症・疫学情報課 | 粉ミルク(乳児用調整粉乳)を70℃以上のお湯で溶かすワケを知っていますか?

上記のような菌を殺菌する為に70度以上のお湯で調乳する必要があるのです。せっかく、沸騰させたお湯を最初に入れても割り水を入れたら冷めてしまいますよね?冷めたお湯では殺菌することはできません。また、できる限りお湯が70度以上の状態で蓋を閉める必要があります。

70度以上のお湯を注ぎ、哺乳瓶の蓋を閉めれば菌が入る可能性を極力減らすことができます。これが割り水がNGと考えられる理由です。

ただ、最近では各専門家によっては哺乳瓶の消毒も含めて過敏になりすぎる必要は無いとの見解もあります。例えば、アメリカなどの先進国では哺乳瓶の消毒は不要との認識が広がっており「安全な水道水が手に入る場合、洗剤と温かいお湯で洗えば十分」と考えられています。

日本では生後3ヶ月程度までは消毒をするのが一般的となります。理由は生後2か月未満の場合、「サカザキ菌」と「サルモネラ菌」に対する危険性が特に高いと言われているからです。また、生後3ヶ月以降であれば自分の指を舐めだしたりするので無菌状態は不可能となります。そのことから無理に消毒の必要がないと言われ、赤ちゃんの様子をみながら行うのが良いと考えられています。

ミルクを冷ます方法

では、割り水がNGとしたらどうやってミルクを冷ますのがいいか困りますよね。全て70°以上のお湯で調乳し乳首とキャップを付けた状態とすると、方法は大まかに3つになります。

  1. 流水を当てる
  2. 氷や保冷剤を利用する
  3. 自然に冷めるのを待つ

また、ガラスの哺乳瓶を使うことで冷めやすくするのも効果的となります。1つずつ確認していきましょう。

流水を当てる

1番オーソドックスな方法ではないでしょうか。キャップをした状態であれば乳首に水がかかることもなく、冷やすことが出来ます。また、哺乳瓶を回してミルクを混ぜることでより冷やすスピードを上げることができます

ただ、気になるのは水道代と冷やすのに掛かる時間ですよね。水道代は各地域によって違うので、はっきりとは言えませんが、70°以上のお湯を哺乳瓶の外側に当てた水で冷ますのは時間もお金もかかりそうです。授乳回数が多ければ尚更ですね。

氷や保冷剤を利用する

1つ目に似ていますが、今度は鍋やボウルなどに水を張り氷をいれ、哺乳瓶を突っ込んで冷やす方法です。外気温に
影響されやすいですが、水道を出しっぱなしにするよりは安くすみ、保冷剤を使えばecoにもなりますね。

氷水であれば水道水よりも冷えている為、効率的に冷ますことができますね

自然に冷めるのを待つ

家にいれば前の2つの方法も出来ますが、外出時は待つしかありませんね。夏は時間が掛かりそうですね。だた、金銭的にはダントツでお得ですね(笑)水道も保冷材も不要ですから

しかし、赤ちゃんがお腹が空いて泣いてるのに待たせたくないですよね。この方法でやるなら授乳時間を先読みしてミルクを作る必要がありそうです。赤ちゃんの生活リズムは簡単に崩れるので現実的な方法ではないですね。

割り水使うときの注意点とは?

割り水を使わなくても冷ますことはできますが時間が掛かってしまいますね。赤ちゃんが泣いてるのに水道水をあてて
冷やしてなんて、待たせたくないですよね。生後3ヶ月以降であれば消毒の必要性も減る為、割り水の使用は問題ないと考えています。ただ、可能な限り安全なミルクを飲ませる為に次の4つの注意事項を守りながら上手に割り水を使っていきましょう!

  1. 手洗いによる消毒・除菌
  2. 開封直後のミネラルウォーターを使う
  3. ウォーターサーバーは設置場所やメンテナンスに注意する
  4. 沸騰させ水道水を冷ます場合は、時間と容器に注意する

1つずつ確認していきましょう

手洗いによる消毒・除菌

まず、細菌が入る可能性が高いのがパパ・ママが調乳する時の手に細菌が付いていてそのまま哺乳瓶の中や乳首などにつく可能性です。キレイに見えても大人の手にはすごい数の細菌が付いています。

手洗い無しの場合、手には約100万個のウイルスが付着していると言われています。水のみで15秒程度洗った場合でも1万個程度まで減らせるとされていますが、ノロウイルスについては10~100個程度で感染するとされています。それでは免疫力の少ない赤ちゃんには不安ですね。

厚生労働省等が公表している手洗い効果には下記のようにあります。

手や指についたウイルスの対策は、洗い流すことが最も重要です。手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らすことができます。

厚生労働省 | 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について

さらに、上記の内容を二回繰り返すことで、手には数個残るのみとされています。また、手洗い後には必ずペーパータオル等で水分をふき取ってください。水分が残っていると菌が繁殖しやすくなるからです。

他の場所にも菌を移さない為にもふき取りまでセットで行いましょう!

開封直後のミネラルウォーターを使う

割り水に購入したミネラルウォーターを使っている人は多いと思います。軟水を使うことは当たり前のように認知している人は多くいますが、ミネラルウォーターの劣化の速さはご存じですか?

水道水の場合は、細菌の繁殖を抑えるために残留塩素が含まれています東京都水道局によると「常温で3日、冷蔵庫内で10日程度」は持つとされています。ミネラルウォーターにはそれが含まれていない為、開封後一気に劣化が進みます。開封前であれば1~2年ほど賞味期限がありますが、一度開封してしまうと「常温で1日以内、冷蔵庫でも2~3日」と言われています

購入したミネラルウォーターを使う場合は、2~3日に使い切れる量の物を使い必ず冷蔵庫で保存しましょう!

ウォーターサーバーは設置場所やメンテナンスに注意する

赤ちゃんが生まれるのを機にウォーターサーバーを契約した人もいるのではないでしょうか。90度前後のお湯を出せるサーバーもあり、ミルク作りに便利ですよねサーバーやボトルの形状によっては空気に触れにくいことから、ペットボトルなどのミネラルウォーターよりも細菌が入りにくく、2週間~1ヶ月程度持つとされています。ただ、使い方を間違えると危険な状態となる可能性があるので注意しましょう。

1つ目は設置場所です。必ず直射日光の当たらない、高温多湿を避けて設置する必要があります。直射日光に当たると水の劣化が進みやすくなります。これは未開封のボトルを保存する場合も同様です。段ボールに入った状態でも高温により水が劣化してしまうことはあります。賞味期限が製造から6ヶ月となっていても、保存方法によっては短くなってしまうので注意しましょう。

2つ目は日頃の使い方やメンテナンスについてです。設置してからこまめに掃除はできていますか?出水口などは綿棒などで掃除しふき取る事で清潔な状態を保つことができます。また、ボトル交換の際は差し込み口をアルコール消毒することで細菌が入る可能性を減らすことが出来ますよね。ちょっとした掃除をすることでより一層、安全に使用することができます。

便利な物はどんどん使って、楽しましょう!

沸騰させ水道水を冷ます場合は、時間と容器に注意する

Twitterやインターネット上には、水道水を沸騰後冷まして使用している人もいました。この使い方も注意点が2つあります

1つ目は必ず1日で使い切ることです。一度沸騰させた水道水は細菌の繁殖を抑えるための残留塩素がなくなってしまうので劣化が進みやすくなります。手間にはなってしまいますがこの方法の場合は、毎日新しく割り水を作る必要があります。

2つ目は割り水を保存する容器についてです。保存容器には何を使用していますか?タンブラーやプラスチックの容器な様々でしょうが、たまに消毒は行っていますか?1つ目の注意点の通り、沸騰後の水道水は劣化しやすく微量ですが細菌が繁殖している可能性があります。熱湯消毒でも哺乳瓶と同じミルトンなど薬品でもいいと思いますが、毎日同じ容器を使うのであれば消毒をお勧めします

まとめ

調乳時の注意点を理解して頂けたでしょうか?生後3ヶ月までは免疫力も低く、高熱が出た場合は他の月例の子よりも注意する必要があります。最後に内容を確認し、安全にミルクを作っていきましょう。

  1. 生後3ヶ月までは注ぐ際に70度以上のお湯を使って調乳する
  2. ミルクを冷やすには、氷水や保冷剤を上手に使う
  3. 割り水を使う場合は水の劣化や保存容器の細菌に注意する

常時90度近くの温度を維持し、割り水としても使えるので自分はウォーターサーバーをお勧めします。ウォーターサーバーであれば災害時の備えともなり、赤ちゃんがいる家でも安心できますね。是非、チェックしてみて下さいね!

この記事が皆さんの生活に少しでも役立てば幸いです。

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